キショウブ

黄色く鮮やかな立ち姿が良く目立つキショウブが咲いていました。
この時期は緑色が多いのでその存在にすぐ気づきます。
このキショウブは在来種ではなく、明治に海外から日本にやってきたいわゆる外来種です。
水辺に生息し、繁殖力が高く、要注意外来生物として取り扱われている植物でもあります。
外来種というと、繁殖力が高く、もともといた在来種の生息地を占領し、最悪絶滅に陥れてしまう悪い生き物という風潮があるように思います。実際に外来種が在来種の生息地を奪い、在来種が危機的状況になっているという事例があるので、在来種に対する影響力は大きいと言えます。
外来種を見つけたら「これは外来種だ!外来種は悪い生き物だから駆除しなきゃ!」と外来種を絶対悪として見ることに少し違和感があります。
そもそもこの外来種と言われている植物(他の生き物も含め)の多くは、人間が観賞用や街路樹、ペットとして楽しむように海外から持ち込んだものであり、宇宙人のようにどこかから飛んできて侵略しようと来たわけではないんです。彼ら(外来種と言われる生き物)が意図してその環境に来たわけではないはず。人間によって故郷から他国に連れてこられて、その環境で子孫を残すために彼らなりに一生懸命に生きているだけなんです。そんな彼らをやれ外来種だ、駆除だというのは何だか悲しいと思うわけです。
とはいえ彼らの生命力の強さは、もともといた生き物たちにとっては影響が大きいのもたしかで、在来種の生きる環境も守っていかなくてはいけないのも事実。
できるのであれば、影響力の高い外来種が在来種に影響を与えることのない環境で生活できるようにすることがベストだと思います。
外来種を移植するといった方法になると思いますが、それをするにはかなりの手間と時間と人手が必要になり、実際にやろうとするとかなり困難な事だと思います。
現実的にはやはり駆除という形をとらないと在来種を守っていけないわけですが、今を生きる私たちは決して外来種と言われている生き物自身には何も悪いことはないということ、あるべきところにあるべきものがいる世界にあるべきものではないものを連れてきた我々人間が原因で外来種と言われている生き物の命を私たちが絶たなければいけないということを忘れてはいけません。そこを認識して駆除しているか、いないかでは意味が大きく変わります。
同じ地球に生きている命ある生き物に対して、思いやりを持って接することが自然を大切にするということだと私は思っています。
あくまで個人的な意見です。様々な考え方があると思いますので、こんな考え方をする人もいるんだなぁと知ってもらえたらいいのかなと思います。