一生に一度の開花
晴れ間の広がる空から段々と曇り空へと変わっていく弟子屈のお天気。明日は久しぶりに台風が北海道へ上陸する影響でしょうか。台風上陸は9年ぶりで、3つ連続で上陸したあの年ぶりとなります。弟子屈を含め道東を通過する予定ですので、台風の備えをしましょう。
さて、そんな中オオウバユリが花咲きました。

人の背丈くらいの高さまで成長するこの植物ですが、なんとお花を咲かせるまで5年から7年以上かかるんです。
花を咲かせるまでは土の中で球根に栄養を蓄えます。そして花を咲かすタイミングで一気にエネルギーを放出し、立派なお花をつけます。
お花はラッパのような形をしていて、高く伸びた茎の頭にたくさんのラッパがつきます。パッと見は放送が流れるスピーカーのような姿です(笑)
春に顔を出した時は葉っぱが赤紫色をしていて独特な雰囲気があるのは特徴的です。アイヌの方々はこのオオウバユリの根を食用にしていたそうです。栄養満点で活力がでそうですよね!
さて、そんなオオウバユリですが”開花は一度しかしない”という生態を持っています。何年も土の中でエネルギーを蓄え、ようやく日に当たって花をつけたと思ったら、もう枯れてしまうんです。どことなく儚く感じる…でしょうか。
「せっかく日に当たったのに!」「もうちょっとお花咲かせたら良いじゃない!」
そんな声が聞こえてきそうですが、これがオオウバユリの生き方なのです。
すべては子孫のために。
生涯をかけて…土の中でエネルギーを蓄え、お花を咲かし、実を作る。次世代の子(実)を育てるために自らの体を枯らしながらも全ての栄養を子(実)に注ぐ。さらに子を風に乗せて遠くまで運ぶため、背丈を高くする。
なんだか涙が出てくる話じゃないですか(泣)
「一生に一度の開花」には子孫を想うオオウバユリの生存戦略があったのです。
このことを知ったうえで見るオオウバユリは、これまで見てきたオオウバユリと比べるとガラッと変わるはずです。
自然の中にはたくさんの学びがあります。
知る(存在を認知する)ことで見える世界が変わり、自然をみる鮮度・解像度がより鮮明になる。何気ない風景も”みる目”が変われば感動や幸せ溢れる景色となります。
そんな自然のみる目・自然を知る(認知する)キッカケのお手伝いをガイドツアーではさせていただいております♪
